V字回復の裏に3つの戦略あり
「100円セール」をやめたミスド
ミスタードーナツがV字回復を遂げている。2013年のピーク時と
比較して300店舗以上を閉鎖し、事業売上高も500億円台から
350億円台まで減少したが、コロナ禍で業績が回復し、
再出店を計画している。
【画像】豪華すぎるのでは? これまで発売した
高額な限定ドーナツの数々(全5枚)
日本上陸から50年以上がたち、少子高齢化も進んでいるが、
なぜ今になって回復を果たしたのか。同社の取り組みを見ると、
コロナ禍以前からの施策が効果を発揮していることが分かる。
米国発のブランド さまざまな競合を押さえ、地位を確立
ミスタードーナツは、エアコンクリーニングで知られるダスキンが
直営店とフランチャイズ(FC)店の運営を行っている。
元はアメリカ発祥のドーナツチェーンだが、ダスキンの創業者が
渡米した際、ドーナツの味に感動してビジネスチャンスになると考え、
日本に持ち込んだ。
1971年に国内1号店を構えたのち、3年後には早くも
100号店をオープン。1971年に国内1号店を構えたダンキンドーナツが
有力な競合だったが、ミスドの勢いを前に、1998年に日本から撤退している。
ちなみに本国である米国にミスドは1店舗しかなく、日本とは反対に
ダンキンドーナツは9000店舗以上構えている。
その後、2006年に日本1号店をオープンしたクリスピー・クリーム・
ドーナツや、コンビニによるドーナツ販売など、新興勢力の参入に
見舞われたものの、ミスドは1000店舗以上を展開する唯一の
ドーナツチェーンとして日本市場を抑えてきたのがこれまでの歴史だ。
少子高齢化とカフェの台頭が影響か
ミスドの店舗数は2013年3月期末の1376店舗で頭打ちとなり、
2020年3月期末時点では1000店舗を下回った。業績悪化を前に
不採算店の閉鎖を進めたためである。ダスキンのフードグループ事業は
主にミスド事業によるものだが、2013年3月期に売上高488億円・
営業利益11億円だった同事業の業績は、2020年3月期には
売上高362億円・営業利益6億円にまで縮小した。
ミスドの業績が悪化した要因としては「少子高齢化」と
「カフェの台頭」の2点が考えられる。テークアウト主体で
ファミリー層を主なターゲットとするミスドにとって、
子どもの減少はパイの縮小を意味する。また、高齢化に起因する
健康意識の高まりが、高カロリーなドーナツから消費者を
遠ざけたと考えられる。
また、都市部では外資系チェーンのカフェが競合であり、
ミスドの凋落と好対照に業績を伸ばしてきた企業が多い。
特にスターバックスはコーヒーのイメージが強いものの、
甘さを求めて飲むフラペチーノ類が充実しており、ドーナツの
有力なライバルとなる。
この間、ミスドは不定期で「100円セール」を実施し集客を図ったが、
セール期間以外の売り上げが低迷し、2016年に終了した。
なお、ダスキンは低迷の背景として「以前の1等地が1等地でなくなる
商圏の変化もあった」と主張しており、業績悪化を前に不採算店の
閉鎖を進めてきた。
一方、外食チェーンのほとんどが苦しんだコロナ禍では業績が伸びた。
2020年3月期から24年3月期におけるミスドの国内チェーン
全店売上高及び店舗数は次の通りである。
チェーン全店売上高:771億円→780億円→929億円→1055億円→1248億円
店舗数:977→961→979→998→1017
同期間中は発売した商品がいずれも好調な売れ行きとなった。
また、テークアウト需要の高まりも追い風となった。前述の通り
ミスドはファミリー層を主体とし、売上高に対するテークアウト比率は
およそ6割だ。外出自粛ムードの中、家族で楽しめるものとして
以前よりテークアウトとの相性が良かったミスドが注目されたのだろう。
何回か実施した値上げも売上高をかさ上げした。
高付加価値化と食事メニューに注力
コロナ禍が明けた2024年3月期も好調が続いていることから
分かるように、ミスドのV字回復には巣ごもり需要以外の要因もある。
例えば、100円セールを終了して以降、商品の付加価値を
高める施策を行ってきた。
その一つが2017年から販売している他社との共同開発商品
「misdo meets」だ。第1弾では京都の宇治茶専門店「祇園辻利」と
コラボした抹茶オレや「わらびもち抹茶」ドーナツなどを販売している。
他にも、2022年にはバレンタイン時期に合わせてベルギーの
チョコブランド「ヴィタメール」と共同開発商品を販売。
3種類のハート型ドーナツはいずれも本体価格が税別240円と、
通常品の価格帯が150円前後であることと比較すると高めである。
ドーナツ以外のメニューとして「ミスドゴハン」の強化も
2017年以降進めてきた。期間限定でさまざまな麺類を発売し、
最近では2023年10月に「ピザッタ」を発売。直近では6月にも
ミスドゴハンシリーズとして、カレーパンのような生地にたまごや
メキシカンミートを挟んだ「ザクもっちドッグ」を発売している。
店舗改装が進み、イートイン客も取り込む
ミスドは商品施策以外にも、「V/21」と称する居心地を追求した
新型店舗として、既存店の改装を進めた。2024年3月期は約100店舗の
改装を行っており、都内のリニューアル店を見てみると、内壁は
白いレンガを模したデザインで、店内にはゆったり座れるソファ席が
置いてある。カフェのような雰囲気があり、サードプレースとして
くつろげる印象だ。店舗改装による効果か、店内では1人でくつろぐ
女性客や勉強する学生客が今まで以上に目立つようになった。
100円セール廃止後の施策をまとめると「高付加価値ドーナツの提供」
「食事メニューの充実」「店内改装」の3点だ。中でも食事メニューの
充実と店内改装はイートイン強化を目的とした施策であることは
注目に値する。テークアウトのファミリー層だけでなくイートインも
取り込み、市場の変化とともに客層を拡大できたことが
成功につながったといえる。
【引用元:ITmedia ビジネスオンライン】
https://news.yahoo.co.jp/articles/985de3b3e1c792ac2008fc41e28047c88860e8d3
私はこれまでミスタードーナツを嫌いという人に
あったことがありません。
子供の時はミスドを買ってきてもらえると大喜びして
今では買って帰ると子供たちが大喜びします。
老若男女から愛されるミスドは不滅だと感じています。
安ければよいのではなく、安心・安定のクオリティを提供しているのが
素晴らしいです。
これからもミスドは愛用します。
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