2025年「福岡県知事選挙」

半導体や自動車の産業集積する好機に問われる戦略

激しい人材獲得競争で熊本県が存在感

　任期満了に伴う福岡県知事選は6日、告示される。
熊本県での半導体受託製造の世界最大手・台湾積体電路製造
（TSMC）の工場稼働で九州が活気づく中、福岡県でも今年度は
半導体や自動車大手の進出発表が相次ぎ、産業集積の好機が
到来している。ただ、人手不足など不安材料もあり先行きは
見通せず、県の戦略が問われそうだ。（手嶋由梨、山本光慶）

【地図】福岡県内で今年度発表された主な企業立地…
トヨタや日産の電池工場新設など

電力・雇用・物流、企業が注目
　「電力、雇用、物流。色んな面で競争力がある」。1月、
北九州市若松区に電気自動車（EV）向け電池工場を建設すると
発表した日産自動車の坂本秀行副社長は、立地の決め手をこう
説明した。トヨタ自動車も昨年9月に苅田町での
EV電池工場建設を発表した。

　台湾の日月光（ASE）グループは同7月、北九州市若松区の
市有地を取得する仮契約を結んだ。
半導体を最終的に仕上げる「後工程」の世界大手で、
実現すればTSMCとの連携の可能性もある。
米不動産投資会社も糸島市に九州最大級のデータセンターを
建設すると明らかにした。

　福岡への進出発表が続く背景について、県企業立地課は
交通インフラのほか、電気料金の安さや理工系人材の
多さなどを挙げる。九州電力は燃料価格の影響を受けにくい
原子力発電所4基を稼働し、料金は大手電力10社で
最も安い水準だ。県内の理工系大学の定員（2023年度）は
約6400人と都道府県で5番目に多く、人材の豊富さが
評価されているという。

「九州のまとめ役」期待
　ただ、人材の獲得競争は激しくなっている。

　熊本県は2月、福岡県在住の大学生らを対象に熊本県内の
半導体企業2社を回る日帰りの無料バスツアーを企画。
20人の定員枠は1週間で埋まったという。同県福岡事務所の
担当者は「TSMC進出で熊本の注目も高まっている」
と手応えを話す。

　福岡県は働く人の「学び直し」に着目し、2023年8月に
福岡半導体リスキリングセンターを開所した。
半導体の製造や利用に関する講座を1月末までに
約9300人が受講している。

　日本半導体製造装置協会の小林章秀事務局長は
「研究開発やメンテナンスも含め、30年は23年の倍の
半導体人材が必要」と見通す。
九州大の安浦寛人名誉教授（情報工学）は「理工系のトップ
人材は首都圏に流れている。
福岡がまとめ役となり、九州で半導体製造の産業構造が
できれば本州からも呼び込める」とする。

人手不足の建設業界
　建設業界の人手不足も懸念材料だ。

　帝国データバンクの1月の調査では、建設関連企業の7割が
「正社員の人手不足を感じる」と回答。資材価格の高騰もあり、
全国で大規模工事のストップが相次ぐ。
福岡県内でも今年度、学校の改修など5000万円以上の
建築工事9件が入札不調となった。大手ゼネコンの関係者は
「能登半島地震の復興もあり、人手は圧倒的に足りない。
九州では大型プロジェクトに参加できない」と明かす。

　台湾のASEグループが取得に向けて仮契約した北九州市の
市有地は、23年に別の半導体企業が進出を模索した。
だが、当時はTSMCも工場を建設中で人手確保が難しいとの
見方もあり、実現しなかった。ASE進出への期待は高いだけに、
県幹部は「北九州市と連携し、本契約に向けて取り組んで
いきたい」としている。

4人が立候補か
　福岡県知事選には再選を目指す無所属現職の服部誠太郎氏（70）
（自民・立民・国民・公明・社民推薦）、無所属新人で弁護士の
吉田幸一郎氏（45）（共産支持）、諸派新人で政治団体代表の
新藤伸夫氏（76）が立候補を表明している。
このほか、1人が出馬の準備を進めている。
服部県政の1期4年の評価が主な争点になる。投開票は23日。
【引用元：讀賣新聞オンライン】
https://news.yahoo.co.jp/articles/695165c080b83387fec85fc1028707d395e69e38

福岡県知事選挙がいよいよ始まります。
現職の再選の可能性が高そうですね。
任期期間について問題や不満などが目立って
あったわけでもなく勢いのある対立もいないので
覆る要素が見当たらいですね。

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