“休憩時間のない”教育現場。

給食指導の「輪番制」で負担は減らせるのか? 教員目線のホンネ

◆精神疾患による休職者が過去最多。
教員の「休憩時間」はどう確保する?

6539人――。

教職員全体の0.71%に当たるこの数は、全国の公立学校に
勤める教職員のなかの精神疾患による休職者の数を表している。
文部科学省が2022年度に公表した調査結果によると、
その数は過去最多となった。また1日当たりの教員の平均労働時間は、
減少はしているものの、依然として10時間を超えているのが現状だ。

【勤務実態】学校の先生は夏休みにどれくらい働いている?

そんななか教員の働く環境を改善するために、中央教育審議会は
「休憩時間」を確保する取り組みを推奨した。授業を担当していない
時間に休憩を割り振ったり、担任以外の教員も含めて給食指導を
「輪番制」で行うなど、教員の健康維持を目的とした
内容となっている。

一般的な会社員にとって昼食は休憩時間となるものの、教員にとっては
児童への“給食指導の場”でもある。輪番制は、はたして教員の負担を
減らす取り組みとなるのだろうか。

大阪府の公立小学校で1年生の担任を務める白石先生(仮名)に、
休憩時間の現状と給食指導の輪番制に対するホンネを聞いた。

◆給食指導を統一しづらい輪番制への懸念
「輪番制の導入は、難しいと思いますよ」

開口一番にそう話す白石先生。輪番制によって休憩時間を確保する
取り組みは、教員の負担を減らすためには効果的な印象を受けるが、
実際はそう単純なものではないらしい。

「輪番制にするのであれば、ちゃんとした打ち合わせが必要です。
日によって担当する先生が代わることで、給食の指導方針が
ばらばらになったら子どもたちは混乱してしまいます。
そうならないために教員間でルールを統一しておく必要があります」

給食指導は“学級経営のひとつ”であるという捉え方も根強く、
他の教員に任せることへの抵抗感を強めているという。

「良いか悪いかは置いておいて、担任は、その日のクラス全体の
状態を考慮しながら給食時間をどのように過ごすかを考えているので、
そこだけを切り離して他の先生にお任せするというのは
やりづらいですね。恐らく、そういう先生は多いのではないでしょうか」

◆休憩時間のために業務が増える!?
給食指導において求められるのは、当然ながら
児童の見守りだけではない。

文部科学省が発行する『食に関する指導の手引』によると、
「食事にふさわしい環境を整え、ゆとりある落ち着いた雰囲気で
食事ができるよう、日頃から児童生徒が安心して食べられる
食事環境作りに心がけること」であり、「食物アレルギーを
有する児童生徒への誤配食等が起こらないよう、校内において
作成したマニュアル等に沿って適切に対応すること」が
担任には求められている。

輪番制となると、それらの役割を他の教員が担うこととなる。
ルールの統一だけではなく、その日の児童の状態を共有するための
打ち合わせも必要だろう。休憩時間を確保すために、追加で業務が
増えるであろうことが想像できる。

さらに、担任以外の先生が給食指導を担当した
場合の懸念をこう続ける。

「家に帰ってから子どもが『〇〇先生のときにこういうふうにされて
嫌だった』という話を保護者にした場合、その連絡を受けるのは
担任なんです。そのため輪番制の導入にはあまり
前向きになれません」

◆常に求められる児童への対応。休憩時間を確保する難しさ
とはいえ休憩時間がないことは、教員にとって大きな負担となる。
給食時間に休みたい気持ちはないのだろうか。

「仮に勤務時間中に休憩時間を割り当てられたとしても、
先生が完全に休める状態にはならないだろうと思います。
給食指導を他の先生にお任せできても、仕事をする場所である
職員室で過ごすことになるので休んだ気にはならないでしょう。
担任している教室で子どもたちと一緒に食べた方が気持ちが
休まることだって考えられます」

学校内に教職員専用の休憩室などがあれば落ち着いて
休むことができるが、校内にそのような場所が確保されている
学校はほとんどないだろう。職員室に児童が尋ねてくることもある。
休憩時間だからといってその対応をしないことは当然できない。

単純に休憩時間を割り振るだけでは、教員の負担が減るわけではない
現状が見えてきた。しかし給食時間の輪番制が最適な取り組みでは
なかったとしても、教員の負担を減らしていくことは、児童が質の
高い教育を受けることにもつながっていく。

教員の働く環境を改善していく取り組みは、今後も求められるだろう。

この記事の執筆者:建石 尚子
大学卒業後、5年間中高一貫校の教員を務める。フィンランドにて
3ヶ月間のインターンを経験したのち、株式会社LITALICOに入社。
発達に遅れや偏りのある子どもやご家族の支援に携わる。
2021年1月に独立。インタビューライターとして、
教育や福祉業界を中心にWEBメディアや雑誌の記事作成を担当。
【引用元:All About】
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6ad95e698fe0057cb9dfc0d2895ef4d49f3eeb8

現代の先生方は大変だと思います。
我々の学生時代と環境が大きく違います。
色んなことに気遣いが必要で制限ばかりの中で
勤務を全うされています。
ストレスは半端ないでしょうね。
私も学生の頃は体育教師になって部活の顧問を
することを考えていましたが現代の教師の状況では
恐らく長くは続かないですね。
周囲の環境が好転してほしいと感じます。

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