「その条件では運べません」

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輸送能力34%不足時代へ――物流会社が選び始めた「荷主の条件」

深刻化する輸送能力の不足

「製品は作った。需要もある。しかし、運べない」――
そんな事態が、いま現実になりつつある。
いわゆる「物流クライシス」だ。

【画像】「えぇぇぇぇ!」
これが「ドライバー不足」の現実です!(計7枚)

物流業界は、2024年に始まったドライバーの時間外労働の
上限規制に加え、少子高齢化による担い手不足が深まる
とされる「2030年問題」に直面している。

国土交通省の試算では、このまま有効な対策を取らなければ、
2030年度には輸送能力の約34%(9億t相当)が
不足すると見込まれている。

現場の厳しさは数字にも表れている。トラックドライバーの
有効求人倍率は、全職業平均の約2倍という高い水準が続いている。
さらに、働き手の年齢構成は全職種平均に比べて40~50代の
割合が高く、39歳以下の若手が極めて少ない。

このまま現役世代の引退が進めば、多くの企業で物流網の
維持が難しくなるのは避けられない。
地方の状況はさらに厳しい。国交省の試算では、2030年には
秋田県で約46%の貨物が運べなくなるとされる。かつては

「条件を受け入れられないならほかを探す」

といえたかもしれない。しかし、いまは代わりのトラック
そのものが見つからない状況にある。

物流会社に選別される荷主の特徴

輸送力に限りがある以上、今後は「運送会社が荷主を選ぶ」
時代へ移っていく。では、どのような荷主が真っ先に契約を
打ち切られるのか。

筆者(井上ダイスケ、物流ライター)がある運送会社の
経営幹部から聞いた話は、その実情をよく表している。
2025年11月、補助金の投入などで燃料価格が一時的に
下がった際、ある大手メーカーの担当者が

「燃料費が下がったのだから、運賃を値下げできるはずだ」

と求めてきたという。しかし、それ以前に燃料価格が
上がった局面で、運賃が十分に引き上げられていた
わけではなかった。物流事業者を下請けのように扱う

・商慣行
・無理な納期設定
・改善提案への消極的な対応

こうした対応は、今後、契約打ち切りの理由になりかねない。
とくに中小の荷主は、この変化を重く受け止める必要がある。
大口顧客は、多少条件が悪くても、売上を確保するために
取引が続く可能性がある。

一方で、規模の小さい荷主が非効率で高圧的な対応を続ければ、
物流事業者が限られた人員や車両をやりくりするなかで、
真っ先に取引見直しの対象となる可能性が高い。

運送会社との対等な関係構築

中小の荷主がこの厳しい状況を乗り切るうえで参考に
なるのが、厳しい条件のなかで事業を続けてきた企業の
取り組みだ。1997(平成9)年に長野県で創業した
クラフトビールメーカー・ヤッホーブルーイング(軽井沢町)
である。ニックネーム制など独特の社風で知られる同社だが、
物流への向き合い方はきわめて現実的だ。

同社の物流を考えるうえで避けられないのが、長野県という
立地条件である。
首都圏のように運送会社の選択肢が多い地域ではない。
ひとたび配送網が止まれば、自社製品を顧客へ届ける
手段を失うことになる。こうした危機感が、同社の取り組みの
出発点となった。企業理念のひとつに

「取引会社への礼儀」

を掲げる同社は、物流事業者の困りごとに耳を傾け、
ときには自ら動く姿勢を貫いてきた。
例えば、物流事業者から相談を受けた際には、
卸業者へ直接交渉を行い、納品リードタイムの
1日延長を実現した。

これは、いうほど簡単なことではない。卸業者や小売店との
納期交渉に失敗すれば、売上減少や信用低下に直結するからだ。
そのため、多くの企業は

「物流の問題は物流事業者が解決するものだ」

という商慣行を前提に、現場の苦しい状況に十分向き合って
こなかった。しかし同社は、その負担を荷主自身の
問題として受け止めた。

さらに、取引先の物流事業者から「同社製品は配送店ごとの
輸送負担が大きい」と相談を受けたことをきっかけに、
物流事業者の地域拠点の近くへ自社倉庫を移した。
拠点移転には、移転費用や新たな配送費など、固定費が
増えるおそれもあった。しかし結果として、物流事業者の
作業効率は向上し、あわせて入出荷業務も委託することで、
連携の強化と業務の円滑化につながった。
こうした取り組みは、きれいごとではない。運送会社という

「代えの利かない存在」

を失えば、自社事業そのものが成り立たなくなるからだ。
「取引会社への礼儀」という企業理念のもと、
厳しい条件に向き合いながら、同社は物流事業者との対等な
関係を築いてきたのである。

外部との共創による省人化の加速

パートナーとの関係は、輸送にとどまらず、
現場設備の開発にも広がっている。

アソート商品の出荷では、倉庫作業が複雑になり、
既存機器だけでは顧客の要望に応えきれなかった。
そこで同社は、取引先でもある地元メーカーと協力し、
独自の定期宅配加工自動化設備を共同開発した。

その結果、作業員を8人から3人へ減らすことに
成功している。これは、

・IT導入
・DX

という言葉だけでは語れない取り組みである。
社内の効率向上だけを追うのではなく、外部企業の知見と
自社課題を持ち寄り、ともに解決策を探ってきたからだ。
自社の物流網に関わる事業者を、

「欠かせない存在」

として扱う姿勢が、結果として同社の物流体制を支えている。
こうした取り組みは、いまや一企業の成功例にとどまらず、
国が進める「ホワイト物流推進運動」の考え方にも
重なっている。政府は、

・荷待ち時間の削減
・荷役作業の負担軽減
・パレット利用の拡大

など、荷主と物流事業者が連携して業務の進め方を
見直すよう強く求めている。ヤッホーブルーイングが
実践してきた自ら動く姿勢は、今後の物流維持に
欠かせない条件になりつつある。

これまでの無理な商慣行を残したまま、運賃だけを形だけ
見直せば済む時代は終わった。物流を「コスト」として
扱うのではなく、事業継続に欠かせないものとして捉え、
物流事業者の課題に向き合える企業だけが、
物流危機のなかでも事業を維持できる。

生き残りに不可欠な意識変革

今後は、都心部であっても運送会社が荷主を選ぶ時代が、
確実に、そして急速に広がっていく。

中小メーカーや荷主が生き残るためには、今回取り上げた
ヤッホーブルーイングの取り組みを参考例として
眺めるだけでは足りない。その背景にある考え方を、
自社の方針や日々の対応に取り入れる必要がある。

これまでのように、「物流の問題は物流事業者が解決するものだ」
という考え方は、もはや通用しなくなっている。
物流網に関わるすべての取引先を尊重し、ときには相手のために
自ら動くこと。こうした意識の変化が、作っても運べない
という事態を避け、自社製品を顧客へ届け続けるために
欠かせなくなる。

これを美談として読み流すのか、それとも自社の対応を
見直すきっかけとするのか。
その判断が、今後の企業経営を左右することになるだろう。
【引用元:Merkmal】
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/4ccca4f7bc18c1e9604636fa205e9f7a1fa2f506/

これからはWin-Winの関係じゃないと
成り立たないでしょう。
過去は「他にいくらでもトラックがいる」で済みましたが
探すことが困難になります。
そして関係性が悪いと横の情報はスグに伝わりますので
避けられる要因になってしまいます。
どの商売においても関係性は重要ですね。

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