物流崩壊のカウントダウン?

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引っ越し業者に長時間労働を強いてきた社会が生み出す

「引っ越し難民」という病理

「引っ越し難民」たちの悲鳴

3月中旬から4月上旬にかけて、引っ越し需要が集中する。
大学生が地元を離れてひとり暮らしを始める、サラリーマンが
人事異動で転勤するなど、生活の転機が4月に集中するためだ。

【画像】えっ…! これが60年前の
「海老名サービスエリア」です(計27枚)

国土交通省がまとめた「大手引越事業者の月別引越件数」
によると、4月の引っ越し件数は平均の約1.5倍、
3月は平均の約2倍となっている。

また、2023年の住民基本台帳の月別移動者数を見ると、
1年全体では4人にひとりが3月と4月に住民基本台帳を
移しており、引っ越しがこの月に集中していることがわかる。

おそらく、今春の引っ越し希望者数は例年より多いだろう。
これは各方面から聞いた話からの推測にすぎないが、
新型コロナウイルスの流行で転勤をともなう人事異動を
控えていた、あるいは延期していた企業が、
この春から動き出した可能性が高い。

ちなみに、住民基本台帳の移動者数を見ると、
2023年は減少傾向にあるが、2024年1月は前年同月比で
増加傾向にあることも付記しておこう。

2022年度の大手引っ越し業者6社の引っ越し件数の
月別統計によると、4月は年平均の約1.5倍、
3月は約2倍の引っ越し件数が集中している。
そもそも、平時の2倍の引っ越しに対応する
引っ越し業者等の努力は並大抵ではない。

想像してみてほしい。例えば、あなたは今の2倍の仕事を
こなせるだろうか。本稿の読者のなかには、事務職、営業職、
製造業、販売業、あるいは小売業やサービス業など、
さまざまな仕事をしている人がいるだろう。

引っ越し業界では、3月から4月にかけて仕事量が
大幅に増えるという状況を長い間受け入れてきた。
しかし、今春の引っ越し繁忙期は、長時間労働に
上限を設ける働き方改革による「物流の2024年問題」
にきちんと対応しようとする影響もあり、「引っ越し難民」を
大量に生み出す結果となっているのではないかと推測する

繁忙期を支えてきた長時間労働

筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)は1990年代、
つまり30年前に引っ越し事業者のドライバーをしていた。
繁忙期は異常だった。

1年で最も忙しい3月の最終週は、日中に5~7件の荷物を運び、
深夜1時過ぎに事務所に戻り、別のトラックに荷物を積み替え、
当時勤務していた千葉県流山市の事務所から、翌朝9時着で
仙台や名古屋に向かうこともあった。

当時、あまりの忙しさに集中力を欠き、筆者は接触事故を
起こしてしまった。対物事故だったのは不幸中の幸いだったが、
見通しのよい場所で後進してしまったことによる事故だった。
ありえないミスだった。

その日は信号待ちのたびに居眠りをし、後続の乗用車から
怒りのクラクションを鳴らされ続けた。

「さすがに限界です。無理は承知でお願いします。
今日の午後便は休ませてください」

上司に直訴したが、もちろん上司は受け入れてくれなかった。
翌日、疲労困憊(こんぱい)のまま出勤した筆者は、
卸先のアパートで梁(はり)に前頭部をぶつけ、
11針縫う大けがを負った。
だが、けがをしたのが自分自身でよかった。
油断していたら交通事故を起こし、見ず知らずの人の命を
奪っていたかもしれないのだ。

筆者の経験は極端だ。しかし、これほど極端でなくとも、
3月、4月の繁忙期には通常の2倍の引っ越しが集中するため、
引っ越し業者は長年、長時間労働で対応してきた。

引っ越し業者に長時間労働を強いてきた社会の歪みが、
ついに限界に達した結果が、この春の「引っ越し難民」
なのだろうか。これを物流崩壊のひとつと呼ぶなら、
確かにそのとおりである。

「引っ越し難民」防止策

国土交通省と全日本トラック協会が「分散引っ越し」を
呼びかけている。「分散引っ越し」とは、春の繁忙期を
避けて2月以前や5月以降に引っ越しをすることだ。

両者によると、2024年は3月16日(土)~4月7日(日)に
引っ越しが集中する。次いで3月9日(土)~3月15日(金)、
4月8日(月)~4月14日(日)となる。

「引っ越し難民」にならないためには、「分散引っ越し」が
一番の対策となる。ちなみに、繁忙期は引っ越し料金が
割高になるため、時期をずらしたほうがコストメリットもある。

しかし、どうしても3月、4月の繁忙期に引っ越しをしたい
(せざるを得ない)人のために、先行するニュースや
SNSでは対策が紹介されている。

代表的な対策を解説する。

●時間指定なしの引っ越しサービスを利用する。
1件、あるいは2件以上の引っ越し現場をこなしてから
引っ越しを行うサービスを利用すると、希望の引っ越し
予定日でもまだ予約が取れる可能性はある。
このようなサービスでは、原則として時間指定はできない。
「13時~15時の間」「夕方17時以降」という緩やかな
時間指定もあれば、時間指定がない、つまり何時に来て
くれるのかまったくわからない場合もある。
このサービスは、引っ越し料金が若干安くなるメリットが
ある反面、引っ越し作業が夜遅くまで続く可能性がある。
また、荷物が多い世帯では利用を断られることもある。

●混載サービスを利用する
「単身パック」「トラックシェア」など、
さまざまな呼び方がある。
同じトラックを他の人とシェアして荷物を運ぶサービスだ。
家族での引っ越しや荷物が多い場合は利用できないが、
単身赴任の場合はこうしたサービスを利用するのもいいだろう。
なお、荷物が目的地に到着するまでに数日かかる場合が
あるので注意が必要だ。

分割引っ越しのメリット

続けて解説する。

●軽貨物自動車運送事業者に引っ越しを依頼する
例えば赤帽は昔から引っ越しを請け負っている。
もちろん、軽貨物自動車での引っ越しなので運べる荷物の量には
限りがあるが、荷物が少なければ選択肢のひとつになる。
一方、一部の報道では、軽貨物自動車運送事業者に
求貨求車サービス(荷物を運んでほしい人と運びたい
事業者をマッチングさせるサービス)を利用して
引っ越しを依頼するなどの裏技が紹介されているが、
筆者はお勧めしない。

普段はアマゾンなどの荷物を配達していて、引っ越し作業の
ノウハウを持っていない配達員に引っ越しを任せると、
大切な荷物が破損するリスクがある。
なかには貨物破損時の保険に加入していない業者もあるので、
軽貨物自動車運送事業者に引っ越しを任せる場合は、
引っ越し業で実績のある業者を選んでほしい。

●六曜を気にしない
0123引っ越し文化研究所(アート引っ越しセンター)によると、
引っ越し経験者の6割が「大安に引っ越ししたい」
「仏滅の引っ越しは避けたい」など六曜を気にしていた。
あえて仏滅などの不人気日を選ぶことで、春の繁忙期でも
引っ越しができる可能性がある。

筆者は引っ越しを2回に分けることを勧めている。
これも一種の「分散引っ越し」である。

●1回目
必要最低限の荷物(寝具と最低限の衣類、日用品など)
のみを持って新居に引っ越す。イメージとしては、
ダンボール数箱と布団一式程度。荷物が少ないので、
宅配便で送ったり、乗用車で運んだりする。

●2回目
繁忙期が空けたタイミングで、残った荷物を引っ越し業者に
運んでもらう。筆者自身、サラリーマン時代、福岡から
名古屋への転勤を命じられ、この方法を採用した。
旧居と新居の家賃を20日近く二重に支払ったが、
あとで計算してみると、繁忙期に無理して引っ越しを
するよりもトータルで安く済んだ。

安いかどうかはケース・バイ・ケースだが、
この春に「引っ越し難民」になりそうな人は、
このような分割引っ越しも検討してみてはいかがだろうか。

最善手は消費者の行動変容

本稿では引っ越し業界を例にしているが、
そもそも「引っ越し難民」の問題は物流業界全体に
共通する問題である。

私たちの生活は便利になりすぎた。
コンビニエンスストアは弁当から日用品まで、
24時間365日、多種多様な商品で私たちを迎えてくれる。
Eコマースで注文すれば翌日には届く。

私たちの便利な日常は、物流関係者の不断の努力によって
支えられている。例えば、ブラックフライデーの時期には、
Eコマースや通販、小売店の商品輸送量が通常時に比べて
大幅に増加する。これを支えているのが、トラックドライバーや
倉庫作業員といった物流労働者の長時間労働だ。

つまり、

「物流労働者に長時間労働を強いるのはやめよう」

というのが、2024年問題でもあるのだ。
岸田内閣が推進する「物流革新」政策は、2024年問題への
対応策のひとつとして「荷主・消費者の行動変容」を挙げている。

「引っ越し難民」問題を根本的に解決するためには、
消費者の行動を変えなければならない。
例えば、杓子(しゃくし)定規に4月1日の異動を
ともなう人事異動を発表するのではなく、1月、8月、
11月といった引っ越し業界の閑散期に引っ越しを促すために、
2月1日、9月1日、12月1日の異動をともなう
人事異動の実施を各社が検討すべきだ。

断言するが、「引っ越し難民」を解消するために引っ越し
ドライバーや作業員を増やすことは現実的な対策ではない。
なぜなら、人手不足は物流業界に限らず、国内全産業に
共通する課題であり、人手不足を解消することは
容易ではないからだ。

現在、引っ越しができないと悩んでいる人は、
腹をくくって5月以降の「分散引っ越し」を
検討すべきである。そして、「引っ越し難民」問題は
物流危機のひとつであることを企業は認識してほしい。
会社都合で「引っ越し難民」を作らないためにも、
「分散引っ越し」が実現可能な人事異動・転勤の
あり方をぜひ検討すべきだ。
【引用元:Merkmal】
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/682a0c4d7ac4e5a606856ebc258d81b9dd00f75f/

分散引っ越しは、元の家の契約と引っ越し先との契約の
都合上で難しい場合が多いかと思います。
新生活で3月と4月初旬に引っ越しが重なるので
繁忙期となってしまっています。
引っ越し業者も減っており尚且つ引っ越し業者の
人材が減っているのも現状かと思われます。
後は引っ越し業者により価格差が非常に大きいことも
あります。
A社とB社で2倍の金額差以上が出ることもざらです。
私も過去に引っ越しを何度もしており会社の引っ越しも経験して
いますが、毎回4社ほど見積もりを取りますが2社は非常に高く
残りの2社は安価で価格差は微差です。
過去に4回利用していますが結局は同じ業者さんへ
依頼をしています。
私も若い頃に引っ越し業者で従事したことがありますが
繁忙期は早朝から夜までと長時間の拘束になります。
人員が足らず派遣スタッフの利用も非常に多かったです。

分散引っ越しが難しい人向けに分散分の「一時預かりサービス」が
あれば繁忙期は需要がありそうですね。
しかしながらバックヤード(倉庫)がある引っ越し業者が
少ないので対応は限られると思いますが、バックヤードがある
所はチャンスですね。カゴ車・パレット単位で価格を決めて居れば
わかりやすいかと思います。
引っ越し業界は繁忙期で大変ですが
頑張っていただきたいですね。

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