「産地直送の野菜が店頭から消える？」 / 【物流倉庫・運送】株式会社TransportWunder

再配達よりも恐ろしく深刻な「物流問題2024」の真実

今、物流業界の問題が我々の生活に危機を及ぼし始めている。
2024年4月1日以降、トラックドライバーの時間外労働が
「年960時間まで」に制限される法律が施行された。
これによって配送能力の低下が懸念され、メディアがこぞって
報じたのが「再配達の負担」だった。だが「宅配」は
物流の総輸送量で言うとたった「7％程度以下」にすぎないのだ。

「宅配の再配達ばかりが注目されているけれど、本当に深刻なのは
別のところにあるんです」と語ってくれたのは、橋本愛喜氏だ。
今回、我々の生活とは切り離すことのできない「物流」について
橋本愛喜氏から伺った話を全3回に渡って、お届けする。

橋本氏は元トラックドライバー。現在はライターとして、
当時の経験をもとに、物流や運送業界の抱える課題を浮き彫りにし、
さまざまなメディアで発信をしている。同氏が強調するのは、
いま現場で起きていることが「世間に正しく理解されていない」
という緊急事態だ。

「ECサイトでレトルトカレーを購入するとしましょう。
2024年問題は、そのレトルトカレーが宅配で翌日配送されなくなる
問題なのではなく、そもそも『作れなくなる問題』なんです。
レトルトカレーを製造するには、具材、調味料、包装材など、
さまざまな原料と資材が工場に届けられ、初めて製造工程に入れます。
でも今、その原料と資材を運ぶ『企業間輸送のトラックドライバー』
が不足しているんです」

これは初耳という人も多いのではないだろうか。

「そうですよね。あれだけ、ネットショッピングの隆盛により、
再配達が問題視された報道が多いと本当の問題には気付かないですよね。
物流というと、完成品が消費者に届く“ラストワンマイル”ばかりが
注目されがちですが、実際はその前段階の原材料や資材の輸送が
大多数を占めます。すなわち、そこが滞ると、製造ラインそのものが
止まってしまう。消費者の目に届く前に製造そのものが止まる
リスクがあるんです。そう言う意味では産直野菜などが届かなくなる
可能性もあります」

これこそが物流業界が抱えるの本当の「2024年問題」なのだ。

「でもこうした事実は、普段ニュースにならない。生活者の目にも
見えにくいから、誰も危機感を持たないんです。リアルに直面しないと
自分ごとにならないんですよね。一方で再配達は身近な問題で、
“自分ごと化”しやすい。だから“話題になりやすい”という構図です」

橋本氏は、「私たちは“便利”を手に入れる代わりに、
“見えない誰か”を犠牲にしてきた」と語る。

「宅配の現場では『送料無料』という言葉が使われますが、
この言葉が物流全体の社会的地位を下げていると痛感しています。
輸送の現場には必ず人が動いていて、車が走って、ガソリンも使われる。
物理的に“無料”でできるワケがないんですよ。でも“送料無料”という
言葉が独り歩きしてしまって、まるでドライバーの労力や時間まで、
ゼロになったかのような印象を与えてしまうんです」

もちろん、実際には送料は荷主である販売元が負担している。
だが、「送料がかかっている」という事実が消費者の目から
見えなくなることで、「タダで運ばれている」という誤解が
広がってしまっているという。

「“送料無料”ではなく、“送料は店舗負担です”とか、
“送料込み”とか、もっと正確な言い方のほうが本当はいいと
思うんです。そうすれば、少なくとも“どこかに負担が発生
している”ということは伝わるから。とても大事なことだと
思っています」

便利でキャッチーな言葉の裏で、誰かの労働が軽視される。
この構造が、物流の現場に静かなしわ寄せを生んでいるのだ、
と橋本氏は語る。

「それでも、現場は動いているんです。誰かが早朝に、深夜に、
荷物を積んで走っている。じゃあ、その“誰か”って、
一体誰なんでしょうか」

かつては「男の仕事」とされてきた運送業界。
だが今、トラックのハンドルを握るのは男性だけではない。
女性ドライバーもまた、この過酷な現場を支える“担い手”の
ひとりとなっている。
そのリアルは【関連記事「アイドル扱いしないで!」
女性トラックドライバーの「イラ立ち」。業界特有の正確さとは】
でお読みいただける。
【引用元：FORZA STYLE】
https://news.yahoo.co.jp/articles/9775fb918789f6ea6ebd82f5332608f52ec56e19

産地直送には大きな問題点があるので時間が経つにつれて
厳しい状況は切迫してきますね。
人材不足も深刻化していき運賃を上げるだけでは
対応しきれないようになりそうですね。
JR貨物などがガンガン利用できるようになっていけば
少しは解消されますが。
しかしながら運賃を上げても企業が給与を上げないと
人材不足は解消されません。
命を削って働くドライバーの賃金がしっかり上がって
稼げるようにならないと衰退しかありません。